短頭種気道症候群

短頭種にとっては辛い時期、換気が難しい犬種は夏が1番大変な時期と思います。それももう終わり肌寒い秋が北海道にはきましたね。冬が近づくと思うと少しゆうつになります…短頭種気道症候群は短頭種特有の呼吸困難になる原因となる病気の総称にはなるのですが原因除去の手術ですが最適のタイミング、時期がいつかはご存じでしょうか。答えは去勢、避妊手術の時と言われています。つまり出来るだけ早くトラブルの種を取り除き喉頭や気管、気管支広くは咽頭鼻部、咽頭口部に負担を減らしましょう、不可逆的な変化を起こさないようしましょうとの事ですね。今回は生後2歳齢で未避妊のフレンチブルドッグを共有したいと思います。この子は睡眠時無呼吸症候群があり時に呼吸困難があるとの事でした。未避妊でしたので避妊手術に同時に気管支鏡を実施させていただき確定診断し、同時にそのトラブル対処のオペを提示しました。この子は軟口蓋過長症と喉頭室外反、軽度の気管低形成がありました。また、鼻孔狭窄が認められました。

以上の事から避妊手術と同時に両外鼻孔拡張術、軟口蓋切除術、喉頭室外反切除術のトリプルセラピーを実施しました。術後の経過は順調です。喉頭虚脱や気管虚脱が起こる前、出来るだけ早くに予防する事が大事だと思っています。

左が拡張後、右は術前。

切除前の軟口蓋過長と切除後に縫合した写真。

デグーのペニス脱

時々デグーの雄で重度にペニスが包皮から突出することがあります。自傷する事もあり、しなくても時間が経ちすぎると鬱血し壊死する事もある病気です。まずなんとか整復するのが大事ですが中々大変ですよね、腫れていますし。なんとか整復できた後は再脱出しないよう一時的に包皮を縫合して消炎処置をします。この子はこの後腫れも引いて抜糸できました。

声が出なくする手術(声帯切除術)

本院では声が出なくなる、出づらくする手術として声帯切除術を行いますが、主に呼吸が通りやすくする目的で行うことが多いです。口からの口腔アプローチと腹側からの喉頭アプローチがありそれぞれ利点やデメリットがありますが本院では完全切除、切除後の宝号から術後トラブルか極めて少ない喉頭アプローチで行なっています。声が出て出なくする目的でのこの手の手術は賛否両論あるとは思いますが色々対策をしてそれでもダメな時は1つの対策ではあるとは思っています。

上記に見える膜が声帯ヒダです。

10月の臨時休診日

10/26日が臨時休診日となり次の27日は開院していますが獣医師荒木は不在となり診察は午後からになります。そのため午前中は点滴やいつものお薬の処方、爪切り等の簡単な処置のみの対応となります。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

9月はもうすでに報告してますが9/28が臨時休診日です。お間違いないようよろしくお願いします。

トリミング

新しいトリミングの価格表が出来ました。よろしければご覧ください。うちのスタッフの力作です😆

レッグペルテス病

2歳未満、特に1歳未満のはトイプードルに多い病気です。他の小型犬でも時々見る病気です。大腿骨頭の血流不足による骨頭やその周囲の壊死が認められるのですが原因ははっきりしていません。この病気は診断が大事で何枚かレントゲンを撮影し触診など複合的に判断する必要があります。もし判断に迷う時は日を改めてのレントゲン再撮影やCTも有用です。

今回は他の病院からセカンドオピニオンと手術依頼で来院された症例を共有したいと思います。

10ヶ月齢のトイプードル、間欠的な右後肢破行が稟告です。触診にて股関節の伸展時に疼痛を認めました。

レントゲンでは大腿骨頸部の肥大化とレントゲン輝度増加、右大腿筋郡部の萎縮も認め慢性的な臨床症状がある事を確認しました。その他の検査では問題ありませんでした。レッグペルテス病と診断し大腿骨頭切除(FHO)と人工関節置換(THR)を提示しました。FHOは機能の100%は戻りませんがリハビリなどで80%ぐらいの機能回復を期待できるレスキュー的な術式です。THRであればほぼ正常機能まで回復できる可能性が高い術式です。今回はFHOを希望されましたので本院での処置となりました。

大腿骨頭を大腿骨頸部から綺麗に切除することが必要な術式です。本院では正面像だけではなく膝関節を外反させたレントゲンのダブルチェックして切り残しがないか確認して手術を確認しています。アプローチも筋肉の靭帯を切らずに剥離してアプローチしているので比較的早く足をつかってくれます。

術後はリハビリを頑張っていただきます。

気管虚脱と喉頭麻痺の併発したチワワ

喉頭麻痺は大型犬、特にラブラドールに時に見る呼吸困難を生じる疾患ですが小型犬、チワワやミニチュアダックスなどでも稀ですが時に遭遇します。

高齢のチワワで重度の気管虚脱と喉頭麻痺があった症例を報告します。かかりつけ医にて酸素室での管理はしていたみたいでした。気管虚脱ではないかと診断されていました。レントゲン検査で頸部気管虚脱が完全に潰れていてグレード4と判断し即日手術になりました。同時に喉頭麻痺の可能性もありました。

上の写真がオペ前のレントゲンと気管支鏡による気管内の写真です。

上の写真はPLLP後の写真です。やはり気管支鏡でも喉頭麻痺のサインがあり術後も吸気時間の延長があったため次に喉頭麻痺の手術を同日実施しました。術式は喉頭アプローチのNew Tie Sideで実習しました。左右喉頭室外反と声帯除去実習右の小角突起を外側牽引しました。その後やだと呼吸が落ち着きました。

上の写真は術後の小角突起を右に牽引している所を確認した気管支鏡です。

喉頭麻痺が存在するとさらに救命する難易度が上がるので診断が大事だと常に感じています。