先月は2日間で色々な理由で呼吸困難、咳で酸素室から出られない症例が3例来られました。それぞれ違う原因でした。そのうちの1症例を共有したいと思います。
症例は13歳齢のポメラニアンです。以前から僧帽弁閉鎖不全症と気管虚脱(TC)で治療中との事でした。急に咳止まらず夜間動物病院での対応してもらうも改善されず夜も眠れていないとの事でした。
症例は動的頸部TC grade3(4に近い)と判断しました。単純レントゲンでは気管支虚脱は確定はしませんでしたが疑いはありでした。
PLLP対応症例として気管支鏡検査にて気管支虚脱あり(特に左)、同時に気管、気管支内分泌物も多くブラシにて採取し染色、培養検査を実施。好中球主体で培養陰性でした。
術後呼吸困難も無く、軽度に気管支虚脱による性は多少認められますが経過は順調で退院となりました。10歳を超えると気管支虚脱の発生が増えることからも早めの対処は必要だと改めて思いました。