気管虚脱

近年ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャテリアなどのトイ種による気管が扁平化して慢性的な咳や呼吸困難に陥る病気(気管虚脱)がおおくなってきています。酷くない場合は内服薬でコントロールしていきますが、進行性の病気ですのでひどい時には手術が必要になります。手術には適応部位、適応症例などはありますのでその見極めも大事になります。本院でもその手術を実施可能となっています。この病気によって苦しい思いをしている症例を一頭でも減らせられるよう努めていこうと思っています。同じ病気で不安を抱えている方はご相談ください。

横からのレントゲン撮影、首の気管が潰れています。

気管を上から見た像です。正常では丸い気管がかなり狭くなっています。

気管を圧迫しています。気管の軟骨が柔らかくなってしまっています。

このようなプロテーゼを気管に装着して外から広げてあげます。

以下術後のレントゲンです。

術前はガチョウ様な咳と呼吸困難を呈していましたが術後すぐ正常な呼吸に戻りました。

現在ではこの子は薬も飲んでいなく元気になり体重も増えてきています。

10月の近況

最近寒くなって紅葉の時期も過ぎ確実に冬の足音が聞こえる季節になりました。動物も人も体調を崩すことが多い季節てますのでお身体ご自愛ください。今月も東京で外科系のセミナーと呼吸器専門医の米澤先生の病院で研修してきました。そこで培った技術で新しい手術も始められるようになりました。一頭でも呼吸困難な子を救えるようがんばります。近々このブログにて報告する予定です。よろしくお願いします。