気管虚脱 グレードⅢ

最近ずっと手術など立て込んでいて気管虚脱の手術を報告出来なかったのですが、気管虚脱の手術は大体月1〜3件のペースで実施しています。ここ最近の3症例を報告して今年最後のブログとしたいと思います。

1症例目

遠方から来て頂いた5歳のマルチーズです。かかりつけ医に気管虚脱を指摘されて内科治療での限界となり本院を受診されました。

以下が術後1ヶ月です。

2症例目

気管虚脱好発のポメラニアンです。9歳です。ポメラニアンの10%が気管虚脱になりやすいと言われています。内科管理でコントロール出来ていますが10未満での手術成績がいい事、気管支虚脱前がおすすめして手術となりました。気管支鏡検査にて気管支虚脱が軽度にありました。やはり早期の手術介入が必要と感じました。

術後1ヶ月

気管支虚脱がありましたが軽度で特に咳も出なく経過良好です。

3症例目

パピヨン9歳です。3〜4年前に他院で気管が狭いと言われていたそうです。連続する咳が続き心配との事で本院を受診してくれました。レントゲンでは気管の軟化やW shape様になりつつありほぼグレードⅣに近いと診断して手術となりました。

以下は術後2週間のレントゲンです。この子はすごく吠える子なので術後の家での管理から大変な子です。上の2例はほぼ咳が出ないのに対しこの子は吠えた後やはり興奮すると咳が出ます。しかしながらそれ以外呼吸も楽ですごく調子がいいです。これからの吠えの管理が重要かなと思っています。

最近手術した3症例でした。最後の症例はまだ術後1ヶ月も経っていないのですが順調に来ています。

3症例とも言えるのですが家ではものすごく吠えるのが共通しています。特に3症例目。無駄吠えなど家で管理は難しいですが大事だなと再確認しました。

本年も来院していただき感謝しております。来年以降もさらに勉強し精進して参りたいと思っています。皆様いいお年をお迎えください。

重度内反症の猫

たまには眼科の症例を共有したいと思います。他院で治療するもの良くならなくて涙が多くて目が痛そうで来院した子です。重度内反症を認めました。この症状が認める前に基礎疾患がある場合が多くこの子もベースにヘルペスウイルスI型感染症を強く疑いました。この子は飲み薬や目薬がとても難しいとの事だったので外科は必要でしたがその後の経過がかなり心配した症例でした。

手術は両眼にHotz-Celsus法と上眼瞼もやや内反していたのでダッキング法を併用して行いました。術後やはり投薬が難しいとの事だったので眼軟膏であればできるとの事だったのでテラマイシンの軟膏でなんとか処置しました。術後の経過は良かったのですがベースのヘルペスに対する治療がしっかり出来ないのでこれから再発して内反しないかは経過を見ていくしかないかなと思っています。

上は術後1ヶ月の写真です。

術後2ヶ月の写真