後肢の破行、前十字靭帯断裂

時々急に後ろ足の歩き方がおかしい、挙上しているとの稟告で来院される患者様がいます。原因は多々あるのですが最近前十字靭帯断裂月立て続けに見る機会があるので共有したいと思います。一般的に小型犬で後肢の破行で有名なのは膝蓋骨内包脱臼(MPL)ですよね。MPLでオペが必要な症例の多くは若齢期です。なぜならば先天的な異常ではないかと言われているからです。なのでほとんどのMPLの子は脱臼していても歩けています。なのでそのまま成長して中年齢以降で破行してMPLが原因とはなりにくいと思います。しかしMPLがあると後肢の内旋が強くなりそこを制御している靭帯月切れやすくなると言われているのが前十字靭帯です。これが切れると関節内に関節液が溜まったり、脛骨が前滑りしてしまいます。それをレントゲンで見つけて診断します。

術式は色々あって強い糸で外側から固定したり、骨切りしてプレートで固定して脛骨高平部を水平にしたりなど。ここで大事なのは関節内の半月板、それが気づいていたらそれを処理しないと術後痛みが残って破行が良くならないのです。以下の症例は幸運にも半月板のトラブルはありませんでした。本院ではMPLがある子では希望されれば同時にMPLの手術をする事も多いです。

最近何故か多いですね🤔

11月の臨時休診日

11/9日火曜日ですが本院臨時休診日とさせて頂きます。よって次の日の10日は水曜日は通常休診日なので11/9-10日の2日間の休診となります。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

2歳11ヶ月齢の重度気管虚脱

先週緊急手術になった症例を共有したいと思います。年齢は2歳11ヶ月齢のポメラニアンの子です。この子も遠くから来てくれました。数日前から急に呼吸困難、咳で近くの病院て気管虚脱と診断されてかなりの呼吸困難でICU管理されていたみたいです。他にも基礎疾患がありそうで好中球は1000を切っていてかなりぐったりして来院されました。

レントゲンでは頸部気管が確認出来ないグレード4でした。しかし頸部以外の気管は問題なかったのでうまくいくと将来投薬もなく普通に生活出来ると判断しました。状態がかなり悪かったのですがオペをしないと助けられないと判断してオペを行いました。

術後の経過は順調で吠える事が多くなってしまって少し早めに退院となりました。今のところは順調でほっとしています😊

コロナワクチン

本日院長荒木は2回目のコロナワクチンを摂取する予定です。明日以降発熱など体調不良が出た場合病院は開院していますが院長不在の対応、点滴やいつもの薬をお出しするなどの対応しか出来ない場合がございます。体調不良があればこの場でも投稿しますのでその時はすいませんがご了承下さい。よろしくお願いします。何も投稿が無ければ通常診察していますのでご安心ください。

生後1.5歳齢 柴犬の気管虚脱 手術(PLLP法)

今日は先週手術した1.5歳齢柴犬の気管虚脱の症例を紹介します。気管虚脱好発犬種はポメラニアン、チワワ、トイプードルなどになるのですが意外と柴犬も上記の犬種ほどではないですがなりやすい犬種となります。今回の特徴としてはかなりの若齢での発症です。この子は生後6ヶ月齢の段階で症状があり先天的な素因を疑っていました。

このレントゲンが6ヶ月齢なのですが既に気管虚脱と気管軟骨軟化を疑う拡張ありでした。

上の2枚は1.5歳齢のレントゲンです。最近呼吸困難が時々あり散歩中走ると舌がチアノーゼになるとの事でした。かなり虚脱している事がわかります。安静時でも時々ガーガーと狭窄する呼吸になりました。飼い主様と相談し手術する事になりました。

術後のレントゲンなのですが拡張して呼吸が楽になりました。術後の経過も順調です。今回は若い子だからだと思いますが気管が若々しく感じました。そのせいか12mmのPLLPを設置したのですが自分が予想したよりは拡張させられなかったと思いました。これからも経過を追ってみていくつもりです。スカイビュー(気管を上からみるレントゲン)はいつも元気だと怒って噛まれてしまうので無理して撮りませんでした…