犬のレッグペルテス病と猫の大腿骨頭すべり症

レッグペルテス病

施設写真

若齢期のトイプードルやヨークシャーテリアなどの小型犬に多い病気です。症状は後肢の跛行で挙上も認められることが多いです。疼痛も顕著に認めることが多いです。原因は不明ですが遺伝子の関与が疑われています。そのため不妊手術をお勧めします。10-17%で両側性に認められます。痛みの原因は大腿骨頭の壊死です。その壊死は若齢期には骨頭の栄養血管は骨膜由来でその血流がなぜか途絶えるため起こるとされています。成犬になると骨膜から骨髄からの血行に代わるため成犬では壊死が起こらないと考えられています。(図1)診断はレントゲン検査になりますが初期ではっきりしない場合は2週間後に再度レントゲン検査を実施するか、CT検査にて確定診断します(図2)。治療法は股関節全置換術とレスキュー的な大腿骨頭頚切除術になります。完全な機能回復を目的とする場合は全置換術がいいと思いますが高額でありまた信頼のおける遠方施設への紹介となります。大腿骨頭頚切除術は本院で実施している術式でリハビリテーションによって70~80%まで機能回復が見込められて本院で見る限り通常生活では問題なく生活できています。詳しくは本院にてご相談下さい。


猫の大腿骨頭すべり症

機器写真

若い大型の猫に多い病気で骨端板成長異常と考えられています。ノルウェージャン、ラグドール、メイクーンなどの純血種に多くみられます。原因は不明ですが遺伝子の関与が疑われています。雄で多くホルモンが関与しているかもしれません。人でも同様な病気が知られています。診断はレントゲン検査で時にストレス撮影で確定診断します。治療は発見が初期であれば治療はピンニングにより大腿骨頭頚部を固定することにより治ることもあります。しかし、アップルコアサインなど骨頚部の萎縮が認められる場合はレッグペルテス病と同様に大腿骨頭頚切除術によりレスキュー的治療を行います(図3)。レッグペルテス病と大腿骨頭すべり症は似て非なるものでその発見時期や病態によっても治療が変わるのがポイントとなります。

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