お正月休み

今年も残りわずかとなりました。本院は12/29-1/3まで休診となります。1/4は診察初めとなりますが診察は15:00までとなります。本年もお世話になりました、来年もよろしくお願いします。

ジャックラッセルのポリポーシス

ジャックラッセルに消化器にポリープを多発する病気がある事をご存知でしょうか?この病院は遺伝性で特定の家系で多発しています。つまり獣医師が発見してこの病気を疑いジャックラッセルの親や子供を特定して繁殖を止めることが出来れば失くす事が出来る病気でもあります。臨床症状は慢性嘔吐などでエコーで見つかることが多いと思います。奈良の米地若菜先生と岐阜大学で共同研究して遺伝子まで特定しています。もしかしたらと思ったら相談されてはいかがでしょうか?特に胃と十二指腸に多発して特徴的なポリープを作りますので疑いやすい病気と思います。外科手術も時に必要になりますが最初から積極的なビルロートIIやルーワイ法でオペしてしまうと必ず再発してしまい次に打つ手が無くなりますので相談してもらいたい症例になります。

早くこのような病気がなくなる事を祈って共有させてもらいます。

未来の獣医さん?

先日近くの小学校での質問を受けてそれに対して返答させてもらいました。それに対してお礼のお手紙をもらいほっこりしました。動物病院に、獣医さんに興味を持ってもらえて嬉しかったので共有したいと思います。

後肢の破行、前十字靭帯断裂

時々急に後ろ足の歩き方がおかしい、挙上しているとの稟告で来院される患者様がいます。原因は多々あるのですが最近前十字靭帯断裂月立て続けに見る機会があるので共有したいと思います。一般的に小型犬で後肢の破行で有名なのは膝蓋骨内包脱臼(MPL)ですよね。MPLでオペが必要な症例の多くは若齢期です。なぜならば先天的な異常ではないかと言われているからです。なのでほとんどのMPLの子は脱臼していても歩けています。なのでそのまま成長して中年齢以降で破行してMPLが原因とはなりにくいと思います。しかしMPLがあると後肢の内旋が強くなりそこを制御している靭帯月切れやすくなると言われているのが前十字靭帯です。これが切れると関節内に関節液が溜まったり、脛骨が前滑りしてしまいます。それをレントゲンで見つけて診断します。

術式は色々あって強い糸で外側から固定したり、骨切りしてプレートで固定して脛骨高平部を水平にしたりなど。ここで大事なのは関節内の半月板、それが気づいていたらそれを処理しないと術後痛みが残って破行が良くならないのです。以下の症例は幸運にも半月板のトラブルはありませんでした。本院ではMPLがある子では希望されれば同時にMPLの手術をする事も多いです。

最近何故か多いですね🤔

11月の臨時休診日

11/9日火曜日ですが本院臨時休診日とさせて頂きます。よって次の日の10日は水曜日は通常休診日なので11/9-10日の2日間の休診となります。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

2歳11ヶ月齢の重度気管虚脱

先週緊急手術になった症例を共有したいと思います。年齢は2歳11ヶ月齢のポメラニアンの子です。この子も遠くから来てくれました。数日前から急に呼吸困難、咳で近くの病院て気管虚脱と診断されてかなりの呼吸困難でICU管理されていたみたいです。他にも基礎疾患がありそうで好中球は1000を切っていてかなりぐったりして来院されました。

レントゲンでは頸部気管が確認出来ないグレード4でした。しかし頸部以外の気管は問題なかったのでうまくいくと将来投薬もなく普通に生活出来ると判断しました。状態がかなり悪かったのですがオペをしないと助けられないと判断してオペを行いました。

術後の経過は順調で吠える事が多くなってしまって少し早めに退院となりました。今のところは順調でほっとしています😊

コロナワクチン

本日院長荒木は2回目のコロナワクチンを摂取する予定です。明日以降発熱など体調不良が出た場合病院は開院していますが院長不在の対応、点滴やいつもの薬をお出しするなどの対応しか出来ない場合がございます。体調不良があればこの場でも投稿しますのでその時はすいませんがご了承下さい。よろしくお願いします。何も投稿が無ければ通常診察していますのでご安心ください。

生後1.5歳齢 柴犬の気管虚脱 手術(PLLP法)

今日は先週手術した1.5歳齢柴犬の気管虚脱の症例を紹介します。気管虚脱好発犬種はポメラニアン、チワワ、トイプードルなどになるのですが意外と柴犬も上記の犬種ほどではないですがなりやすい犬種となります。今回の特徴としてはかなりの若齢での発症です。この子は生後6ヶ月齢の段階で症状があり先天的な素因を疑っていました。

このレントゲンが6ヶ月齢なのですが既に気管虚脱と気管軟骨軟化を疑う拡張ありでした。

上の2枚は1.5歳齢のレントゲンです。最近呼吸困難が時々あり散歩中走ると舌がチアノーゼになるとの事でした。かなり虚脱している事がわかります。安静時でも時々ガーガーと狭窄する呼吸になりました。飼い主様と相談し手術する事になりました。

術後のレントゲンなのですが拡張して呼吸が楽になりました。術後の経過も順調です。今回は若い子だからだと思いますが気管が若々しく感じました。そのせいか12mmのPLLPを設置したのですが自分が予想したよりは拡張させられなかったと思いました。これからも経過を追ってみていくつもりです。スカイビュー(気管を上からみるレントゲン)はいつも元気だと怒って噛まれてしまうので無理して撮りませんでした…

直前まで酸素室にて管理していた気管虚脱 術前と術後

2週間前に急遽手術した子を紹介します。9歳のポメラニアンとトイプードルのミックスの子でした。初診時に来院された時にはその子は居なくて今までかかりつけ医のところでICUに入り管理しているとの事でした。呼吸困難でステロイドを使い酸素室にて管理せざるを得ない状況で手術ができるだろうか?との相談でした。数年前から気管虚脱と診断されており最近苦しそうにすることがひどくなったとの事でした。安定した段階で来院してもらい本院でレントゲンを撮影しました。気管虚脱は重度でしたが頸部のみでしたので手術が上手くいけばその後薬も使わなくても問題なく暮らせる可能性が高い症例でした。状態も良くないのでその日の夜に緊急手術となり経過は順調です。次は1ヶ月後の検診で問題無ければ薬も全て休薬し経過観察の予定です。