ハムスターの腫瘍

ハムスターの比較的多い高齢疾患の一つが腫瘍ですが実際の診察でも一歳半を過ぎてくるとやはり腫瘍絡みの疾患は多いなぁと思います。そんな最近の症例を紹介します。

症例はもうすぐ2歳になるゴールデンハムスターの女の子です。飼い主様はよく触られて観察される方です。稟告としてお腹が張っている気がする、少し元気がないでした。確かに腹部膨満が軽度に見られ触診でシコリ感がありました。腹部エコー検査で低エコー性腫瘤と軽度に腹水があり腫瘍疾患の可能性が高いとお話ししました。精査としては針生検になるのですが凄く動くので危険と判断し麻酔下で生検か開腹して脾臓や肝臓に一部、リンパ節など切除可能であれば根治を含め手術をお勧めして手術となりました。

開腹してその腫瘤が腫大した空腸リンパ節を疑い完全切除は不能と判断して針生検して院内検査とし、部分切除して病理へ出す事に。リンパ腫を疑いましたが針生検では間葉系の細胞で、病理組織検査では同様の結果でGistか肉腫の転移では?との事でした。確定診断できた事で予後や治療方針が立つのでやはり身体は小さいとはいえ麻酔下の処置は大切だと改めて思った症例でした。

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