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気管虚脱と喉頭麻痺の併発したチワワ
喉頭麻痺は大型犬、特にラブラドールに時に見る呼吸困難を生じる疾患ですが小型犬、チワワやミニチュアダックスなどでも稀ですが時に遭遇します。
高齢のチワワで重度の気管虚脱と喉頭麻痺があった症例を報告します。かかりつけ医にて酸素室での管理はしていたみたいでした。気管虚脱ではないかと診断されていました。レントゲン検査で頸部気管虚脱が完全に潰れていてグレード4と判断し即日手術になりました。同時に喉頭麻痺の可能性もありました。
上の写真がオペ前のレントゲンと気管支鏡による気管内の写真です。
上の写真はPLLP後の写真です。やはり気管支鏡でも喉頭麻痺のサインがあり術後も吸気時間の延長があったため次に喉頭麻痺の手術を同日実施しました。術式は喉頭アプローチのNew Tie Sideで実習しました。左右喉頭室外反と声帯除去実習右の小角突起を外側牽引しました。その後やだと呼吸が落ち着きました。
上の写真は術後の小角突起を右に牽引している所を確認した気管支鏡です。
喉頭麻痺が存在するとさらに救命する難易度が上がるので診断が大事だと常に感じています。
9月の臨時休診日
院長荒木は研修の為9/28が休診日となります。次の29日の午前中は開院していますが院長不在の為診察は出来ませんのでご了承下さい。午後から通常診察となります。よろしくお願いします。
11歳8ヶ月齢のトイプードル 気管虚脱(TC)と特発性好酸球性気管支炎
最近特に忙しくてTCの症例を紹介できずにいたのでここに共有します。この子は10ヶ月前が初診でした。他院で咳の原因が分からずセカンドオピニオンで来院されました。当初は頸部TC grade3と診断し内科で咳は管理できていましたが11ヶ月後にTCのgradeが進み気管支虚脱も軽度認められ内科では咳が止まらなくなり手術になりました。
気管支鏡ではやはり気管支虚脱と痰などの分泌物が多めに確認された。
術後経過よく咳がなくなりましたが徐々に術前とは違う湿った咳が出てきました。再度気管支鏡検査にてブラシにより気管支内細胞を採取して各種培養検査と細胞診を実施しました。培養検査は陰性でした。細胞診は20%を超える好酸球が多数確認されました。
以上から特発性好酸球性気管支炎と診断し内服と吸入により劇的に良化し殆ど咳が出なくなりました。
術後3ヶ月後のレントゲンでも手術後の経過良好でした。
しかし今は殆ど咳は無くなりましたが気管支虚脱が残るためこれからの咳にも注意深く経過観察が必要だとおもいますし、気管支虚脱が出てくる前に手術に踏み切る必要性を改めて考えさせられました。
8月の臨時休診日と院長不在
8/2-3は病院自体は開院していますが院長荒木は不在となります。薬の受け取りや爪切りなど簡単な処置、継続の患者様対応のみとなります。また、
8/11-15日は本院お盆休みとなり完全に休診となります。8/31は院長の研修日で臨時休診、次の日の9/1の午前中は院長不在となります。通常診察は午後からです。
8月は休診日や院長不在が多い月となります。ご迷惑をおかけいたします。よろしくお願いします。
トイプードルの橈尺骨骨折
トイプードルは本当に橈尺骨骨折が多くイタリアングレーハウンドを除く他の犬種の橈尺骨骨折は色々制限があり治すのが大変です。トイプードルは前腕骨周りの軟部組織も少なく血行が少なくかつ骨幅が細く、橈骨の形状からも骨折し易く治りずらい傾向があります。
今回一歳半齢のトイプードルの橈尺骨骨折を紹介します。
写真から橈尺骨遠位1/3骨幹部横骨折と判断しました。特徴は骨折してますが骨の変位が少ないですよね。これは骨膜骨折と言って一歳前後の若い症例に残っているコツの表層の膜が厚くそこが破れていないので変位が少ないのです。
この症例が一歳未満で尺骨が骨折していなければ飼い主様と相談にはなりますが徹底した管理が出来れば外固定で治せたかもしれません。人であれば指示を守ってくれて骨周囲の血行も豊富から外固定か創外固定で治した可能性が高いのですがトイプードルでは手術が必要になります。
以前紹介したフロートプレート法も適応でしたがこの症例に合うプレートが無かったので通常のALPS社のプレートにて手術しました。この症例は生物学的癒合を目指したプレート主義を採用したデザインになっております。年齢も若いのでプレート除去も踏まえて考えています。
この後大事なのが術後管理になり最近特にすごく大事だと、飼い主様との信頼関係も必要だと思っています。これがうまくいかないと手術が完璧でも破綻してしまいます。この症例もかなりアクティビティが高く術後管理が難儀した子でした。