11歳8ヶ月齢のトイプードル 気管虚脱(TC)と特発性好酸球性気管支炎

最近特に忙しくてTCの症例を紹介できずにいたのでここに共有します。この子は10ヶ月前が初診でした。他院で咳の原因が分からずセカンドオピニオンで来院されました。当初は頸部TC grade3と診断し内科で咳は管理できていましたが11ヶ月後にTCのgradeが進み気管支虚脱も軽度認められ内科では咳が止まらなくなり手術になりました。

気管支鏡ではやはり気管支虚脱と痰などの分泌物が多めに確認された。

術後経過よく咳がなくなりましたが徐々に術前とは違う湿った咳が出てきました。再度気管支鏡検査にてブラシにより気管支内細胞を採取して各種培養検査と細胞診を実施しました。培養検査は陰性でした。細胞診は20%を超える好酸球が多数確認されました。

以上から特発性好酸球性気管支炎と診断し内服と吸入により劇的に良化し殆ど咳が出なくなりました。

術後3ヶ月後のレントゲンでも手術後の経過良好でした。

しかし今は殆ど咳は無くなりましたが気管支虚脱が残るためこれからの咳にも注意深く経過観察が必要だとおもいますし、気管支虚脱が出てくる前に手術に踏み切る必要性を改めて考えさせられました。

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