トイプードルは本当に橈尺骨骨折が多くイタリアングレーハウンドを除く他の犬種の橈尺骨骨折は色々制限があり治すのが大変です。トイプードルは前腕骨周りの軟部組織も少なく血行が少なくかつ骨幅が細く、橈骨の形状からも骨折し易く治りずらい傾向があります。
今回一歳半齢のトイプードルの橈尺骨骨折を紹介します。
写真から橈尺骨遠位1/3骨幹部横骨折と判断しました。特徴は骨折してますが骨の変位が少ないですよね。これは骨膜骨折と言って一歳前後の若い症例に残っているコツの表層の膜が厚くそこが破れていないので変位が少ないのです。
この症例が一歳未満で尺骨が骨折していなければ飼い主様と相談にはなりますが徹底した管理が出来れば外固定で治せたかもしれません。人であれば指示を守ってくれて骨周囲の血行も豊富から外固定か創外固定で治した可能性が高いのですがトイプードルでは手術が必要になります。
以前紹介したフロートプレート法も適応でしたがこの症例に合うプレートが無かったので通常のALPS社のプレートにて手術しました。この症例は生物学的癒合を目指したプレート主義を採用したデザインになっております。年齢も若いのでプレート除去も踏まえて考えています。
この後大事なのが術後管理になり最近特にすごく大事だと、飼い主様との信頼関係も必要だと思っています。これがうまくいかないと手術が完璧でも破綻してしまいます。この症例もかなりアクティビティが高く術後管理が難儀した子でした。